院長ブログ

2012.09.29更新

めっきり冷えるようになってきました。そこで、まずはインフルエンザワクチンのお知らせから。
当院では、今年も10月15日からワクチン接種を開始します。
名古屋市に住民票のある65歳以上の方は1回1,000円、
それ以外の年齢の方は、おひとり1回あたり2,500円(消費税込み)です。
本文もご参照下さい。必ず事前の予約をお願いします。

さて前回、TVの健康番組について書きましたが、最近、注意してみておりますと、
やはりマスメディアへの糖質制限食の登場回数が多い、と感じます。
2週ほど前ですが、週刊朝日の中で、脂肪肝を治す方法として、
糖質制限食が取り上げられていました。

9月15日のことになりますが、TBS系の土曜17時30分からの、
報道特集という番組に糖質制限食がとりあげられました。
治療法の概要・目的・注意点まで、冷静にとらえて解説した内容でした。
糖質制限食の利点が紹介された後に、
注意点としては糖質制限食では蛋白質と脂質の摂取量が増えるため、
腎機能障害の強い方は、尿毒症の懸念があるため不適、
また肝障害の強い方も、糖新生がほとんどないために、
低血糖発作を起こす危険性があって不適、と述べられていました。
もちろんこのあたりのことは、われわれにとっては周知の事実です。

また9月21日には、NHK総合22時からの、「情報LIVE ただイマ!」の中でも、
短時間ですが、糖質制限食に触れられていました。
この番組内容を補足しますと、糖質制限を正しく実行した時には、
中性脂肪が減少し、LDL-コレステロールは不変ないしやや減少することが確認されており、
体重も不変ないし減る方向です。

これらの変化は、糖質制限食の短期的なメリット(すぐに現れる効果)である、として、
ほぼ世界的な共通認識となっています。
ただし長く実行するとどうなるかが、必ず問われます。
厳しい糖質制限食(3食とも主食を摂らない)を長期間続けると、
心筋梗塞と脳梗塞になる人が増える、という研究結果が出ており、
どうやらこれも世界の共通認識となりつつあります。
厳しい糖質制限食のマイナス点です。

こういった事実から、当院では、夕食のみ糖質を制限する方法を、
糖質制限食の標準としております。
これを世界では「緩めのローカーボ食」と呼んでいます。
何事も極端なことはよくない、ということになります。
ただ、一般論ではなく、なぜそうなるのか、については、考えられる理由がいくつかあります。
それについては次回。

愛知県名古屋市千種区にある内科で食事療法による高血圧や糖尿病治療ならむらもとクリニックへ

投稿者: むらもとクリニック

2012.09.16更新

昼と夜の寒暖差が出てきました。風邪には要注意です。
実は先日、当院に今シーズンのインフルエンザ第1号の方が来院されました。
この時期には散発的に発生するのみで、珍しいことです。
本格的シーズンはまだ先ですが、その前の予防接種をお忘れなく。

さて、私は日頃、TVの健康番組を、なるべく見るようにしています。
患者さんから、「先日のあの番組の内容は本当ですか」と質問されることがよくあり、
患者さんたちは、TVも含めて、こういった情報に、少なからず影響を
受けることがあるだろう、と感じるからです。

最近では、気になったものがありました。本日はその話題を。
主題は、高血圧の人はしっかり減塩食を実行しましょう、そしてその具体的な方法を教えましょう、
というもので、これを懇切丁寧に行っているクリニックが紹介されていました。
なるほど、参考になるところはあり、日頃私が指導している減塩食と共通する考え方でした。
他には体重を減らそうとか、漢方薬が効く場合がある、といった内容でした。

私も薬は少ない方がよい、とHP本文中に書いており、基本的には賛成です。
番組の内容は、大筋は間違っていないのですが、
ただ、減塩すれば高血圧は治る、と誤解してしまいかねないものであったのが気になりました。
また、血圧は下げないほうが患者さんは元気、と発言した医師もあり、
これは誤解されやすい危険な発言だと思います。
これを視た患者さんが、降圧剤はなるべく服用しないのがよい、と考えて
降圧剤を敬遠してしまったり、これを処方する医者を「間違った医者」と誤解したりしたら、
それこそ大問題だと思います。

実際にはどうかというと、降圧剤なしで血圧を下げることは、そんなに簡単ではないです。
食塩感受性、という言葉があります。
減塩食を実行すると、しっかり(10mmHg以上)血圧が下がる人のことを指しています。
食塩感受性の高い人は、食塩をたくさん摂取すると、逆にしっかり血圧が上がります。
日本人は、食塩感受性のある人は少ない(おそらく40%ほど)とされており、それを踏まえて考えると、
降圧剤なしで高血圧が治る人は、軽症高血圧で、さらに食塩感受性が高い人、ということになります。
それは高血圧の患者さんのうちのごく一部だと思います。

食べる楽しみを残しながら減塩食を実行することは、大切だと思います。
しかし、中等症(収縮期血圧160mmHg~179mmHg)以上の患者さんは、やはり薬が必要でしょう。
そのうえで、睡眠時無呼吸症候群の可能性も含めて睡眠の質がどうか、
日常のストレスはどうか、といったことも、判断・指導・治療を受けるべき、と思います。

TV番組から情報を得ることはよいことですが、それを冷静に判断する力が必要な場合があるのです。

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投稿者: むらもとクリニック

2012.09.02更新

いつしか9月、しかしまだ残暑厳しく、熱中症対策も続ける必要があります。
ところでみなさんが今、面白いと思われるテレビ番組はありますか?
私個人的には、NHK総合木曜22時からの、総合診療医ドクターG、です。
2010年頃からあった番組ですが、今年はオリンピックで一時中断して、再開したところです。

研修中の若い医師3人が毎回チャレンジし、先輩医師からの出題に答えていきます。
若い医師達もなかなか優秀ですが、番組を作る上の戦略なのか、
すぐには正解にたどり着けないように、ひねってあります。
しかし最後にはしっかり正解にたどり着くよう、先輩医師がやさしく導いている感じ。
そして最後に、若い医師達に贈る教訓をいただいて、すがすがしい気分で終わる。
みなさんも一度、視聴していただいてはどうでしょうか。

さてNHKといえば、番組「クローズアップ現代」の中で、糖質制限食が放送された、とのこと。
残念ながら見過ごしてしまいましたが、ホームページで要旨を拝見しました。
内容は、糖質制限食だけではなく、様々な新しい糖尿病治療法についてのものでした。
しかし、NHKでもとりあげられた、というのは、今後いよいよ広まっていく予兆でしょう。

糖質制限食の基本は、カロリー計算必要なし、となっています。
これが従来のカロリー制限療法と、まったく考え方が異なる訳です。
番組中にあった、糖質制限食の失敗例の患者さんは、糖質制限した結果、総カロリーも
大幅に減らしてしまった。これでは自分の筋肉が分解されて、痩せてしまうのが当然です。
極端な糖質制限と、極端なカロリー制限を、同時に行うべきではないのです。
こういった、「やり過ぎ」の患者さんを、ローカーボ研究会では、「不安定ローカーボ」と名付けて、
注意しています。こうならないためには、タンパク質と脂質の摂取を増やすべきです。

その際、植物性脂肪の摂取を増やして欲しいのですが(2012年3月17日ブログ参照)、
糖質制限した時に、身近な食べ物は肉です。ところが、牛・豚・羊といった「赤肉」を食べ過ぎると、
糖尿病になるリスクがかえって増加する、という報告があります。
そのメカニズムは解明されていませんが、糖尿病患者さんも、糖質制限食を取り入れた場合、
赤肉の摂取を増やすのは、よくないと考えるべきでしょう。
肉が好きなら、なるべく白い肉(鶏、白身魚、エビ、イカなど)の摂取を増やすのがよいでしょう。

人間はサルから進化しましたが、サルは総カロリーの約95%を植物から摂り、
残り5%は小さな昆虫から摂っているそうです。
人間は様々なものを食べる知恵を得て、雑食として生きていますが、サルの実例から考えると、
動物由来の食品が多すぎてはダメなように、できているのかもしれません。

愛知県名古屋市千種区にある内科で食事療法による高血圧や糖尿病治療ならむらもとクリニックへ

投稿者: むらもとクリニック

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