院長ブログ

2013.10.15更新

10月だというのに、暑い日もありますね。
寒暖差による風邪症状の方が増えてきました。
冬に向かって、高血圧の方は血圧がゆっくり上昇してくる時期でもあります。

さて今回は、腹式呼吸の重要性に関する雑感を述べます。
日頃、患者さんに腹部エコー検査を施行しながら感じることがあります。
肝臓は、肋骨の後ろに隠れて存在していますが、腹部エコー検査の際には、
超音波は肋骨を通過しませんので、そのままでは肝臓を観察できません。
そこで、息を深く吸っていただいて横隔膜を下げ、
これによって肝臓を下の方へ十分移動させて観察します。
この際、腹式呼吸をしていただく必要があります。

横隔膜は胸と腹を分け隔てているものですが、膜というより、厚みのある筋肉です。
ご存じのように、焼肉のハラミが横隔膜です。
横隔膜はドーム状で、これが収縮するとドームは平たくなり、肝臓を押し下げ、
肺は下の方へ広げられます。横隔膜がゆるむと、この逆に肺が縮みます。
これが「腹式呼吸」です。腹式呼吸では、腹が前に膨らんだりしぼんだりします。
一方、胸の肋骨を上下左右に広げるようにして息を吸うのが「胸式呼吸」で、
この場合は肩も少し上下に動きます。

しかし、腹部エコー検査の際に、深く息を吸っていただくと、
自然に胸式呼吸になってしまう人があります。
言ってみれば「腹式呼吸が苦手」な患者さんで、これだと肝臓が下へ移動しません。
そこで腹式呼吸を患者さんに理解していただけるよう、説明する必要があります。

そもそも、まったく意識せずに自然に呼吸しているときは、100%腹式呼吸です。
もちろん睡眠中の呼吸も、これです。
つまり横隔膜は、通常は自分の意志とは無関係に自律神経で動いているけれども、
自分の意志で、強く大きく動かすこともできる、という面白い性質があります。

そこで、まず安静にして自然な呼吸をしていただき、この呼吸を意識的に
だんだん深くしていただく。つまり、
「鼻からゆっくりおおきく息を吸って下さい」とお願いするだけで、
うまく腹式呼吸で深呼吸できるようになる場合があります。
これでうまくいかない時には、両腕を交差させて両手を両肩に置いて
いただき、「肩を動かさないで深呼吸して下さい」と説明したりします。
何とかして腹式呼吸を理解して実践していただけるよう、
この他にもいろいろ説明の工夫の余地がありそうです。

実際のところ、内臓型肥満の患者さんは肝臓の位置が高いところにあるため、
十分な腹式呼吸で肝臓を下へ移動させる必要があるのですが、
内臓型肥満の患者さんは、腹式呼吸が苦手な傾向があり、
このため肝臓が一層観察しにくいというジレンマがあります。

さて話を発展させると、深呼吸を利用したダイエット法が、いくつかありますね。
(例によって、ダイエットという言葉の正しい意味からは外れます。)
ヨガ、ピラティス、ロングブレスダイエット(美木良介氏)、ドローイングダイエット、
と、ざっと見渡しただけで4通りの方法があります。
このうちヨガとドローイングダイエットは、腹式呼吸重視、
ピラティスとロングブレスダイエットは、胸式呼吸重視、と分類されます。
それぞれ、ご参照、ご確認下さい。

私はこのすべてを一定期間試したわけではないので、どれが一番よい、とは
断言できない立場ではあります。
しかし、一度、ジョギングしながら息を2回吸って、2回はく動作を続けてみて下さい。
「スッ、スッ、ハッ、ハッ、スッ、スッ、ハッ、ハッ」という要領で。
こうすると、実に簡単に腹式呼吸が実践できているのではないでしょうか。
人はジョギング中は、自然に腹式呼吸になる、という訳です。
そして、腹式呼吸すれば横隔膜が上下に動き、腹腔内脂肪が上下に
もみほぐすように刺激を受けるはずです。

ジョギングを真面目に実行された患者さんは、見事に減量に成功していますが、
このように、お腹(横隔膜)を動かすことが秘訣なのでは、と思う次第です。
エステでも、落としたいところを集中的にもみほぐしますね。
この観点からすると、腹腔内脂肪を落としたいならば、
腹式呼吸の方がよいのではないか、というのが、現在のところの私の持論です。
そして、どんな方法であれ、続ければ効果が出るのではないでしょうか。
「継続は力なり」です。

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2013.09.17更新

最近の話題といえば、スポーツ界の大ニュースが3つもありました。
一つは2020年東京オリンピック開催決定ですね。
この大ニュースから1週間も経たず、興奮も冷めやらぬうちに、
プロ野球楽天田中将大投手の通算25連勝という世界記録達成、
さらにはヤクルトバレンティン選手のホームラン記録もありました。
これらもプロ野球の歴史が変わった、とも言える大ニュースでした。
皆さん、生みの苦しみは相当なものであったと思いますが、よく頑張られました。

さて、糖尿病患者さんを含めて生活習慣病患者さんを診療していまして、
痛切に思うことがあります。
結局、命取りになる病気の代表として癌があり、また、
命取りにならないがゆえに最も問題となる病気として、認知症があるということ。
このふたつをどう予防するか、また早期発見するか、ということです。
両者とも、生活習慣病治療における最重要課題、といえます。

まず認知症について考えてみますと、糖尿病患者さんは
認知症になりやすいという事実があります。
糖尿病は血管を傷める病気ですから、血管性認知症になりやすいのは
想像に難くないことです。
しかし、アルツハイマー病にもなりやすいことが判明しており、
その原因の一つとして、インスリン分解酵素仮説というのがあります。
日本人の2型糖尿病患者さんに多い、インスリン抵抗性の強い例においては、
常に高インスリン血症が認められます。
インスリン分解酵素はこれを分解することに集中するため、
アミロイドβタンパクを分解できず、
これがアルツハイマー病を発症させやすくする、というものです。
実際にはアルツハイマー病の発症メカニズムはもっと複雑なのですが。

これを踏まると、アルツハイマー病を少しでも発症させにくくするには、
インスリン抵抗性を改善させ、高インスリン血症を改善させることが重要になります。
これにはまず、運動療法がよいことがよく知られています。
とくにリタイヤされた患者さんは、是非運動習慣をつけていただきたいと思います。

食事療法では、例えば低GI食品(食物繊維も含む)、ゆっくり食べること、
これらは低インスリン生活を実現する上でのキーポイントになります。
ローカーボダイエットも、ある程度ならよいでしょう。
また、魚は積極的に食べるべきです。
糖尿病薬を用いるなら、インスリン分泌系ではなく、抵抗性改善薬を選ぶことです。

あと、タバコは是非やめましょう。タバコは本当に百害あって一利なしです。
また、日々楽しく過ごすこと、趣味を持つことも、脳には好影響をもたらすでしょう。
これらがアルツハイマー病を発症しにくい生活です。、明日からでもできそうですね。

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2013.08.16更新

本日は終戦記念日でした。
いえ、12時をまわって、これを書いているのは16日ですが。
そこで、今回は緊急寄稿で、戦争の遺産について述べます。
戦争が、糖尿病発症と関連あるかも、と聞いたら、皆さん、ピンとくるでしょうか。
しかし、これを裏付ける、最近話題の学説があるのです。

2型糖尿病の発症が、過食と運動不足だけのせいではないのは明らかです。
近年、糖尿病患者が確実に増えているのは、我が国を中心とする東アジア、
また西ヨーロッパに集中していると言われています。共通するのは何でしょうか。
二次大戦の時に三国同盟を組んでいた日本・ドイツ・イタリアと、その周辺国です。

これらの国々は戦禍にさらされることによって、食料不足が戦後も含めて
何年も続きました。そして低栄養状態の妊婦さんから生まれてきた子供たちは、
現在60歳代半ば~70歳代前半といったところでしょうが、
これらの人々が2型糖尿病になりやすいと考えられているのです。

つまり、母体内で低栄養状態で育った胎児は、低栄養に合うような
代謝プログラムが作られ、それから出生するため、
成人になった時には、普通の食事でも太りやすく、
その上、2型糖尿病や脂質異常症になりやすくなっている訳です。
実際、出生時体重の軽い赤ちゃんが、後に2型糖尿病になりやすいことは、
昔から知られています。
蛇足ですが、戦中戦後に限らず近年でも、女性に「やせ願望」があったりすると、
赤ちゃんは出生時体重が軽くなる傾向があるため、現在60歳よりも若い人たちにも
2型糖尿病が増えており、今後も増え続ける可能性がある訳です。

もともとは20年も前に、イギリスのBaker博士が提唱した「胎内プログラミング仮説」
と呼ばれていたものがあり、胎内で、特に6か月までの栄養状態が、
出生後の健康に影響を与える上で重要、というものでした。
近年では仮説にとどまらず、様々な方面から実証が進んでおり、
胎児期から幼小児期の環境が成人期の慢性疾患のリスクを決める、という意味で
Developmental Origins of Health and Disease(DOHaD)というキーワードが創られ、
これに関する国際学会、また我が国にも研究会が発足しています。

私はこの学説に大いに興味を持っています。
もしもこのブログを読んでおられる方の中に、現在妊娠初期、あるいは
これから妊娠希望の女性がおられましたら、妊娠中は是非しっかり食べて、
ただし、ご自身が妊娠糖尿病にならない程度に保って欲しいと願います。
妊娠を通じて、母体の体重は9~12kgほど増加するのが望ましいそうです。
お母さんは、自分が適度に太ることで、赤ちゃんを病気から守っている、
と言ったらおおげさでしょうか。

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2013.08.12更新

いやあ、なにしろ暑いですね。40度超えのニュースもちらほら入ってきて、
当院にも軽症の熱中症と思われる患者さんがこられることがあります。
いよいよ夏本番、要警戒の時期です。

少し前になりますが、アメリカのソイレント・コーポレーションが開発した、
完全食「ソイレント」が話題になりました。
粉末を水に溶かして飲むだけで、必要な栄養はすべて摂れる、というもので、
8月からすでに商品化されたとか。
買い物も含めて食事の支度や片付けの手間を省いたり、
保存性を考えると、便利なものです。
何が含まれているのか調べてみましたが、3大栄養素から各種ミネラル、
ビタミン、食物繊維まで入っていて、確かに優れものです。
従来からあるカロリーメイトを、さらに進化させた感じでしょうか。
(参考ページ
http://robrhinehart.com/?p=424
しかし、これで本当によいのか、という疑問はどうしても残ります。

私が子供の頃、父(当クリニックの先代院長)に、
こんな質問をしたことがありました。
「もしも食事の代わりに飲めばよい薬が発明されたら、便利じゃないの?」と。
子供らしくない発想ですが、これに対する父の返答は、たった一言でした。
「そんな薬が発明されたとしても、そんなのを食事とは呼ばないんだ」

ソイレント・コーポレーションの尽力に水をさすのではありませんが、
私が言いたいのは、本来の健康食としては、なるべく自然に近い食材を、
ゆっくり噛んで、味わって食べて欲しい、ということです。
健康維持のための基本のはずですが、これがなかなか守れないものです。
働き盛り世代の2型糖尿病患者さんをみていますと、まず例外なく、
忙しいので運動する暇がなく、食事も速い傾向があります。
夜遅くに帰ってきて、ストレス発散のため飲酒しながら食事して、
疲れてすぐに寝てしまう。
こんな生活習慣に追い込んでしまう社会こそ、病んでいると思います。

今回のソイレントに対する、わが国でのネット上の反応は、
非常食としては優れているが、毎日飲むのはどうか?といった、
冷静な意見が多かったようです。
地震国ならではの考え方かもしれませんが、実際、私もその通りだと思います。
今は盛夏、冷えた野菜をいっぱい食べて、この夏を乗り切りましょう。

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2013.07.08更新

今日は七夕です。暑い1日でしたが、夜になってから、短冊に願い事を書くという、
伝統行事も、風情があっていいものです。
そろそろ熱中症のニュースが増えてきて、今後はさらに要注意です。
ただ、暑いからといって、一昨年から書いておりますように、
ドリンクの飲みすぎによるペットボトル症候群も、避けなければなりません。

本日の話題は、例によって玄米食のススメと、これに絡んだ豆知識について。
肥満や2型糖尿病にならないように、あるいはこれらを悪化させないようにと考えて、
夕食にご飯を食べていない人は、意外に多いものです。
医師の指導を受ける以前から、そうしている人たちがいる、という意味です。
せっかく気をつけるなら、朝食や昼食についても、白米を玄米に置き換えれば、
低GI食の効果で食後の血糖上昇を改善できるので、より健康食になると思います。

患者さんたちに玄米食をお勧めすると、「玄米は嫌い」とおっしゃる方もあります。
玄米は「エグい」と感じるのでしょうか。
私は個人的には、トウモロコシのような風味を感じますが。

さて、玄米に含まれる薄皮が、他の方面に思わぬ影響を及ぼします。
貧血症の中でも、鉄欠乏による貧血は、日常的によく遭遇する病気です。
そういった患者さんたちには、貧血の程度にもよりますが、まずは食事療法です。
食物由来の鉄には、レバーや鮎など動物性食品に含まれるヘム鉄と、
大豆やホウレンソウなど植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。
そもそも動物性のヘム鉄の方が吸収率がよいことを説明し、ただし日常的には
植物性食品からの非ヘム鉄の摂取を重視するようお勧めしています。

非ヘム鉄の吸収率を少しでも良くするための工夫にはいろいろあるものの、
その一つは、動物性蛋白質、とくに赤肉をたくさん摂ることです。
これが、植物由来の非ヘム鉄の吸収を助けてくれるというわけです。
ちなみに赤肉に含まれるミオグロビンも鉄を含みますから、相乗効果です。

逆に、玄米など、ふすまといわれる部分のフィチン酸という成分は、
非ヘム鉄の吸収をさらに悪化させる、というマイナス点があります。

まとめると、どうなるでしょうか。
鉄欠乏貧血の患者さんが、治療食として、動物肉(赤肉)を多く摂取し、
玄米を避けて白米を食べたとします。
これを長期間続けたら、そうでない場合に比べて、
おそらく2型糖尿病になりやすいことになりますね。
(赤肉由来のヘム鉄摂取過剰による糖尿病発症リスク増加について、
2012/09/02  2012/10/27  2012/12/02ブログ参照)

幸い、鉄欠乏貧血といえば多くは若い女性の病気ですから、
一般的には糖尿病の心配はしなくてよいので、肉をしっかり食べて下さい。
鉄欠乏貧血は鉄の「欠乏による」病気、
2型糖尿病はカロリーの相対的「過剰による」病気、
と、シンプルにとらえれば、このように逆の食事療法が必要になることは、
不思議ではない、と思った次第です。

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2013.06.10更新

いつしか梅雨の季節となりました。晴れ間はしっかり暑いが、曇りや雨の日もあり、
なにかと体調が変化しやすい季節ですので、ぜひご自愛下さい。

間があいてしまいましたが、2月3日に書いた、アルコール代謝の続編です。
アルコールが代謝されると肝細胞内でアセチルCoAに変換され、
これを代謝するには、糖質由来のオキサロ酢酸が必要、とすでに書きました。

ここでまず、適量のアルコール(エタノール)について確認です。
1日あたり純アルコール20gが適量とされていますが、これに相当するのは、
日本酒の場合、アルコール度数15度の商品とすると、167ml(約9勺)。
ビールは5度であれば500ml、焼酎は25度であれば100ml(約5.5勺)です。
日本酒は1合が適量とよくいわれますが、それではわずかに
適量オーバーなのですね。あと、商品によってアルコール度数が異なれば、
もちろんそれに応じて変化します。
焼酎は、水などで割る方が多いので、割る前の量を把握しておくとよいと思います。

さて、これらの適量のアルコール(20g)を代謝するのに必要なブドウ糖量は?
計算してみますと、78.14g、となります。
ブドウ糖は1gあたり3.35kcalですので、約262kcal、となります。
夕食が700~800kcalと仮定して、標準の食事なら炭水化物が400~500kcal
くらいですから、アルコール由来のアセチルCoAを十分代謝できます。

夕食にローカーボダイエットを採用する場合、糖質量が262kcalを下回ると、
残ったアセチルCoAは、分解されずに中性脂肪合成へ進みます。
もし、厳しい糖質制限食で、適量を超えるアルコールを飲むと、
確実に脂肪肝が進行することになります。
これが、習慣的にアルコールを摂取する方に対する、要注意点です。

もうひとつ付け加えておきたいことがあります。
すでに糖尿病としてメトフォルミンを投与されている方が、
厳しい糖質制限食とともに多量のアルコールを摂取すると、危険です。
なぜなら、アルコールも、メトフォルミンも、糖新生を抑制しますから、
飲酒中ないし就寝中に血糖値が低下して、
低血糖発作を起こす可能性があるからです。
怖いですね。
せっかくの楽しいお酒は、こういった心配をしなくてすむように飲みましょう。

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2013.05.04更新

ゴールデンウイーク中ですが、いかがお過ごしでしょうか。
当院も暦どおりの営業で、今はのんびりしております。
今日も行楽日和でした。散歩には最高の季節です。

さて本題です。もう1か月半ほど前のことですが、平成25年3月18日づけで、
日本糖尿病学会が、ある提言を発表しました。
「極端な糖質制限食は薦められない」というもので、新聞にも掲載されました。
気になった方も多いのではないでしょうか。

そこで、万が一の誤解を解くために、当院の見解のまとめを述べたいと思います。
日本糖尿病学会の提言は、誠に常識的なもので、賛成です。
極端な糖質制限食は、長期間続けるとよくないことが推察されており
(2012/12/24ブログ参照)、2年も続けたらダメ。
万が一の安全のためには、半年までくらいがよいと思います。

ローカーボダイエットといっても、糖質制限の「度合い」がいろいろで、
①緩やかローカーボから②中等度のローカーボ、③厳しいローカーボ、
と3段階に分かれます。

今回、否定されたのは、③厳しいローカーボダイエットです。
私の医院で実行している「糖質制限食」は①緩やかローカーボが中心で、
場合によって②を採用することがありますが、
日本糖尿病学会の提言に反するものではありません。
ところが、③厳しいローカーボダイエットを糖質制限食と呼ぶ向きもあるため、
誤解を生んだかも知れません。

ある時期から、私のブログで主に糖質制限食という言葉を使い始めたが、
これには理由があります。
制限すべきは糖質で、食物繊維はむしろ積極的に摂りたいものであるので、
穏やかローカーボダイエットであっても、あえて糖質制限食と表現したわけです。

ですから、学会の提言を受けても、当院の方針に、ゆらぎは全くありません。
大事なことは、続けやすい食事療法であること。
また、外食などでも実行できることだと考えています。
私が考える、糖尿病治療の未来につながる食事療法とは?
また肥満があるが、健康な人が実行すべき食事療法とは?
これが次の課題です。食事療法の話は、全く終わりがない、と感じます。

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2013.04.16更新

ご無沙汰です。すっかり暖かくなりました。
最近のいいニュースといえば、プロ野球、DeNAベイスターズのラミレス選手の
2000本安打達成がありました。長く日本で活躍し、外国人として初の快挙、
立派なものだと思います。
ベイスターズファンではないとしても、好感の持てる選手です。
今後、日本への帰化を考えているとのことですが、実現しますかどうか。

ちょっと遅れましたが、3月の話題として、世界腎臓デーというのがありました。
今年は3月14日がその日で、この前後に新聞やTVでとりあげられていました。
慢性腎臓病という病名を世間に広く浸透させよう、という活動なのですが、
なにしろ、この病名は、残念ながら一般の方には意味がよくわからない。
従って病名から受けるインパクトがなく、なかなか浸透しにくい印象があります。

しかし、近年の高血圧治療、糖尿病治療は、
慢性腎臓病の診療と大きく関わっています。
腎臓の糸球体の血管は細くてデリケートなので、高血圧や高血糖によって
ダメージを負い、次第に尿にタンパク(アルブミン)が漏れるようになります。
このため日常診療の中で、腎機能を測ることと、
尿タンパクが出るかどうかを測ることはとても重要です。
腎機能は血液検査で血清クレアチニン値を測ることで得られ、
尿タンパクは、簡便な試験紙法、ないし尿タンパク定量を行います。
とくに糖尿病のある方では、尿中の微量アルブミン定量を行います。

これらに異常があるかないかで、脳卒中などの合併症の危険度を知る訳です。
例えば腎機能が正常な人に比して、腎機能が軽度低下した人は
全死亡率が約2.5倍、
腎機能が明らかに低下した人(慢性腎臓病4期以上)では約4.5倍となります。
さらに細かく分けると、尿タンパクが出るか出ないかで、
これらの危険率も左右されます。

これらは患者さんにとってあまり負担の多い検査ではないので、
血圧を測ることや糖尿病の状態を知ることとは別に、定期的に行うべきものです。

なので、今回みなさんにアピールしたいことは、ただ一つ。
それは、高血圧や糖尿病で内科に通院されている患者さんは、
いつでも院内で尿検査ができるように心がけていただきたい
、ということです。
我々医者は、高血圧や糖尿病の状態を診ながら、腎臓の状態も診ているのです。

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2013.03.17更新

久しぶりになります。今は時期的に、インフルエンザは下火ですが、
代わりにスギ花粉症にお悩みの方も多いかと思います。
しかしどちらもマスクが必要、という意味では、備えることは同じですね。
花粉症の薬も進化しており、効果十分で眠気の少ない治療が可能になっています。
薬の必要な方にとっては、あと少し、辛抱の時期と言えるでしょう。

さて、アルコールの話から離れて、今回は、「よく噛んで食べましょう」という話題を。
よく噛んでゆっくり食べることで、満腹中枢が刺激されて、食事量が少なくて済み、
食後の血糖や中性脂肪上昇を抑えられる、
というもので、昔から言われてきた基本的な食事療法であるのに、
実行できない人が多い、といつも感じています。

原因の一部は仕事量が多くてゆっくり食べる暇がない、ということや、
単純にせっかちな性格、といったところですが、
ほとんど噛まずに食べられる柔らかい料理が多いことも挙げられます。
なので、よく噛まないと食べられない、固い食材を食べることもお勧めしています。
タケノコ、レンコン、わかめ、こんにゃく、タコなどはいかがでしょうか。

さて、これに関連して、「ガム噛みダイエット」なるものがあることをご存知でしょうか。
ちょっと小腹がすいた時に、ガムをひたすら噛み続けましょう、というものです。
ガムは1個あたり1から9キロカロリーほどですが、
1回噛むことで消費するエネルギーが5カロリーほど。
実験してみると、ガムを噛むのは1秒に2回ほどのペースで、
ガム1個が9キロカロリーとしても、15分噛み続ければ消費してしまいます。
私の場合、1時間でも噛み続けていられるので、ダイエット効果あり、となります。

これでほかのおやつの摂取量が減れば、もっとよい結果が得られます。
まあ、ガム噛みを食事療法と呼ぶのが適切でない、とすれば、
ダイエットの本来の意味からは外れることにはなりますが(2011/09/23ブログ参照)。

ガムには、他にもメリットがあります。
唾液が出続けると思いますが、これで口の中が清潔に保たれやすくなります。
緊張で口が渇いているようなときには、口の中の歯周病菌が増殖しますが、
歯肉の慢性的な炎症は、炎症性サイトカイン分泌を介して
インスリン抵抗性を引き起こすことが知られており、
糖尿病を発症させたり、悪化させたりする原因のひとつです。
ガム噛みで、これを改善することも期待できます。
歯の衛生もからめて言えば、キシリトール入りのガムは、カロリーも低いし最適です。
ついでに言えば、ガムの代わりに焼いたスルメも、おやつとしては最適です。

もうひとつ、糖尿病からは脱線しますが、逆流性食道炎で、いつも胸やけがしたり、
ときにひどい咳き込みをしてしまう人も、ガムでかなり改善が期待できます。

世間には、いろいろな健康法があるものです。
表題のように、あまりせっかちにならずに生きてゆきましょう。

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2013.02.04更新

真冬の中、寒い日が続きます。
世間は受験シーズンでもありますが、インフルエンザだけでなく、
一般かぜ、胃腸かぜが心配な季節です。
これに加えて、近々、花粉症シーズンも到来します。ご自愛下さい。

そんな訳で、何かと忙しく、4週間ぶりのブログ更新となってしまいました。
先日1月27日に行われた、日本ローカーボ研究会の第3回学術集会の報告です。
予告した通り、アルコール摂取についての重要な知見が得られました。
名大加藤名誉教授による、アルコール代謝の講義が行われたのですが、
これで得られた知見は、ローカーボダイエットの方法にも影響を及ぼしそうです。

そもそもローカーボダイエットは、面倒なカロリー制限食を続けにくい人たちのために、
よりわかりやすく、実行、継続しやすい食事療法として注目されてきました。
その重要な骨子は、ともすると夜遅くに帰宅してから夕食を摂る人が多い中で、
夕食に炭水化物を摂るメリットが少ないことを理解してもらい、
これを摂取しないことによって、夕食後の血糖上昇なく、
追加インスリン分泌がほとんど必要ないような状態にして、
疲弊した膵臓のβ細胞を朝まで休ませ、また夕食から起床までの8~12時間ほどを
脂質燃焼モードにすることによって、体重減少しやすい状況を作ることでありました。
そして、夕食後に血糖値を上昇させないことを重要視するという考え方から、
飲酒するなら蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ブランデー、泡盛)ないし、
極辛口のワインあたりにしておきましょう、というものでした。

これまでの、夕食の炭水化物をゼロとする方法で、
体重減少効果と血糖コントロールには一定の成果を挙げ、
飲酒を禁止しないこの方法は、糖尿病患者さんたちに大いに好評でした。

しかし、今回の知見から、今後はよりよい方法に修正してゆくべきことがわかりました。
生化学の講義みたいになりますが、エタノールは肝臓の細胞内で、
アセトアルデヒド、酢酸、アセチルCoAへ、順に代謝されていきます。
このアセチルCoAが、TCAサイクルという代謝経路に入るためには、
同じ量のオキサロ酢酸という物質が必要で、
これは糖質の分解(解糖系)によってのみ供給されます。

例えばまったく炭水化物(糖質)摂取なしで焼酎を飲むと、アセチルCoAは
TCAサイクルに入ることができず、結局、脂質合成系にまわってしまい、
これが中性脂肪を増やし、脂肪肝を産む原因である、とのことです。

ですからアルコールを飲む場合、アルコールをしっかり代謝させるためには、
糖質を一緒に摂るべき、ということになります。
研究会員全員にとって、大きな衝撃を受ける新知見でした。
では今後、どうするべきか?
長くなりましたので、近日中に続編を書きます。

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投稿者: むらもとクリニック

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